Excel関数 標準偏差を求める(STDEVP関数)

Excelで標準偏差を求める

Excelで標準偏差を求める関数は4種類あります。

標準偏差を求めるにあたって、全データ(母集団)を計算対象にする場合はSTDEVP.P(スタンダード・ディビエーション・ピー)関数またはSTDEVP(スタンダード・ディビエーション・ピー)関数を使います。

対象のデータの一部抜き出した標本を計算対象にする場合は、STDEV.S(スタンダード・ディビエーション・エス)またはSTDEV(スタンダード・ディビエーション)関数を使用します。


全データを計算対象として標準偏差を求める場合と標本が計算対象、それぞれ2つの関数があります。Excelのバージョンによる違いです。Excel2007以前のバージョンでは、STDEVPとSTDEVを使います。

Excel2010以降ではSTDEV.PとSTDEV.Sを使用します。なお、Excelの古いバージョンとの互換性を持たせるため、STDEVPとSTDEVも使えます。

ここでは、STDEVP関数を例に解説します。

STDEV.P(STDEVP)の概要
種別 統計
書式 STDEVP(セル範囲)またはSTDEVP(数値1,数値2・・・数値n)
機能の概要 引数で指定された数値の標準偏差を求める

母集団と標本

母集団は統計データをとるときの調査対象全体のことです。身体測定の例では、ある小学校の小学六年生全員の身長が母集団です。学年全体の平均値を求めたり、標準偏差を求めたりすることは容易にできます。

一方、日本全国の小学六年生のデータを考えると、日本全国の小学六年生の身長を調べることは不可能ではありませんが、非現実的です。このように時間やコスト、技術などの理由から母集団すべてを調査できないケースがあります。


このようなときは、母集団から一部を取り出して、母集団の特徴を推測します。この母集団から一部を取り出したものを標本といいます。母集団から標本を抽出することを標本抽出といいます。

小学六年生の身長の場合は、全国の小学六年生の何千人かを選んで、身長を調べることで全国の小学六年生の身長を推測します。

Excelで標準偏差を求める関数の使い分けは、母集団(全データ)を対象とする場合は、STDEV.P(STDEVP)関数、標本を対象とする場合はSTDEV.S(STDEV)関数を使用します。

標準偏差

標準偏差は、データのバラツキ具合を表す指標として使われます。データのバラツキ具合を表す指標としては、標準偏差のほかに分散も使われます。標準偏差は、分散の平方根です。

標準偏差のほうがデータと同じ視点で見ることができるので、わかりやすいといえるでしょう。

標準偏差の数値が大きいとバラツキが大きく、逆に小さいとバラツキが小さいと判断できます。

図1は、セルC8にセルC3からC7の標準偏差を求めています。

偏差値を求める

標準偏差と平均点から偏差値が求まります。偏差値の計算式は次のとおりです。

偏差値=50+(得点-平均点)÷標準偏差×10

「得点-平均点」を偏差といいます。

例えば、100点満点の試験において、得点が65点、平均点は55点で標準偏差は4点の正規分布に従う場合、偏差値は以下のとおりです。

50+(65-55)÷4×10=75点

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