Excel関数 割り算の余りを求める
Excelにおいて割り算の余り(剰余)を求めるには、MOD関数を使用します。MOD(モッド)関数の使い方を解説します。MOD関数でエラーが返されたときの対処方法を併せて解説します。
MOD関数目次
MOD関数の概要
MOD関数の概要は次のとおりです。
種別 | 数学/三角関数 |
---|---|
書式 | MOD(数値,除数) |
機能の概要 | 数値を除数で割ったときの余りを返す |
MOD関数で剰余(余り)を求める
セル「A2」に入力されている数値をセル「A3」で割ったときの余りをセル「A4」に求める場合は、セル「A4」にMOD関数を使って以下のように入力します。
=MOD(A2,A3)
MOD関数の引数と関数から返される数値の関係はつぎのようになっています。
MOD関数におけるエラーの対処
MOD関数は割り算をして余りを求めます。割り算で注意しなくてはいけないのは、除数(割る数)にゼロを指定するとエラーになります。
0が除数に指定される可能性があるときは、IF関数を使って、除数が0のときは、MOD関数を実行しないようにします。または、IFERROR関数を使用してMOD関数の実行結果がエラー時の処理を指定します。
IF関数を使って、セル【A4】が0であれば、空データを表示します。0以外の数値の場合、MOD関数でセル【A2】の値をセル【A3】で割った余りを表示します。
IFERROR関数を使って、MOD関数でエラーが返ってきたときに空白を表示するようにしています。
割り算の商をQUOTIENT関数で求める
MOD関数は、割り算の剰余(余り)を求める関数です。商を求める場合は、QUOTIENT(クオシェント)関数を使います。QUOTIENT関数の概要は次のとおりです。
種別 | 数学/三角関数 |
---|---|
書式 | QUOTIENT(分子,分母) |
機能の概要 | 分子を分母で割ったときの商の整数部分を返す。余りは切り捨てられる。 |
割り算の商の整数部を求める方法としては、QUOTIENT関数のほかにINT関数やTRUNC関数を使っても求めれます。図は割り算の商をQUOTIENT関数、INT関数とTRUNC関数を使って求めています。
QUOTIENT関数はMOD関数と組み合わせて使用する場合、計算式がシンプルに記述できます。除算結果の商の整数部を求めるだけでしたらQUOTIENT関数、INT関数とTRUNC関数のいずれを使ってもかまいません。
MOD関数の活用例 金種表の作成
MOD関数とQUOTIENT関数を使って金種表を作成します。「金種表」は金種ごとに必要な紙幣と硬貨の枚数を求めたものです。経費や給料、おつりなど現金で支払いをするときに使用されます。金種計算の考え方は次のとおりです。
一番大きな金種(10,000円)の場合
(金額÷金種)の商
=QUOTIENT(金額,金種)
一番大きな金種以外は次の計算式で求めます。
(金額÷一つ大きい金種)の剰余÷金種
MOD関数とQUOTIENT関数で表すと次の計算式になります。
=QUOTIENT(MOD(金額,一つ大きい金種),金種)
一つ大きい金種とは、5,000円の枚数を求めたい場合は10,000円、1,000円の枚数を求めたい場合は、5,000円です。
例えば7,420円の1,000円札の枚数を求める場合は次のとおりです。
=QUOTIENT(MOD(7420,5000),1000)
7,420円を1,000円より一つ大きい金種の5,000円で割ったの余り(剰余)を求め、金種の1,000で割ります。
1. 7,420÷5,000=1・・・2420
2. 2420÷1000=2
1,000円札の枚数は2枚です。
同様にしてほかの金種も求めます。
下図はセル【D2】の金額の金種を求めています。
計算式中で参照しているセル【D2】は計算式をコピーしたとき、セルの参照位置がずれないように行を固定する複合参照にしています。この場合は絶対参照「$D$2」と指定しても同じ結果が得られます。
「金種表」の応用で、郵便物の料金から、切手の必要枚数を求めることなどに活用できます。
関連ページ
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- 計算式の実行結果が、エラーのときの処理を行う
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- INT関数とTRUNC関数で小数点以下の数値を切り捨てる
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