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LANの伝送媒体
初級シスアドでは伝送媒体に関する問題が出題されている。
LANを構築するためには機器どうしをケーブルなどで接続しなくてはならない。このケーブルのことを伝送媒体という。伝送媒体は、以下の4種類がある。
LANの伝送媒体
- ツイストペアケーブル(より対線)
- 同軸ケーブル
- 光ファイバーケーブル
- 無線LAN
それぞれの伝送媒体の特徴は次のとおりである。
ツイストペアケーブル(より対線)
2本の導線をより合わせたケーブルである。2本の線をより合わせることで、より合わせないときと比べて電磁ノイズに強くなる。低価格で敷設も容易なため多くのネットワークで使用されている。
電気店などで販売されているLANケーブルのほとんどがこのツイストペアケーブルである。10BASE-Tや100BASE-TXと表示されているのがそうである。
同軸ケーブル
中心の信号を流す導線をポリエチレンなどの絶縁体で囲みその周囲を銅などの網線で覆ったケーブルである。ツイストペアケーブルに比べて電磁ノイズに強く、敷設距離も長い。
光ファイバーケーブル
ツイストペアケーブルと同軸ケーブルは電気信号を伝送する。それに対して光ファイバーケーブルは、電気信号を光に変えて光信号でデータ伝送を行う伝送媒体である。
光でデータ伝送を行うため電磁ノイズにも強く高速伝送が可能である。
伝送媒体の特徴
伝送媒体 | 伝送距離 | 伝送速度 | 電磁ノイズの強度 |
---|---|---|---|
ツイストペアケーブル | 短い | 遅い | 弱い |
同軸ケーブル | 中 | 中 | 中 |
光ファイバーケーブル | 長い | 速い | 強い |
例題
伝送媒体の特徴に関する記述のうち,適切なものはどれか。
(初級シスアド 平成15年度 秋期 問18)
- ア ツイストペアケーブルは,同軸ケーブルや光ファイバケーブルに比べ,無中継でより長い距離の伝送に使うことができる。
- イ 同軸ケーブルは,双方向通信をするために2芯(しん)が必要である。
- ウ 同軸ケーブルは,光ファイバケーブルやツイストペアケーブルに比べ,より大容量の伝送に使うことができる。
- エ 光ファイバケーブルは,石英ガラスやプラスチックでできており,電磁的な干渉を受けない。
正解:エ
《解説》
- ア ツイストペアケーブルは、同軸ケーブルや光ファイバーケーブルに比べて無中継による伝送距離は短い。
- イ 同軸ケーブルは1しんである。
- ウ 同軸ケーブルに比べて光ファイバーケーブルの方が高速大容量のデータ伝送が可能である。
- エ 光ファイバーケーブルは電気信号ではなく、光でデータ伝送を行うため電磁的な干渉を受けない。
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無線LAN
最近の無線LANの普及にともなって、初級シスアドの試験でも無線LANに関する問題が出題されている。今後も出題が予想されるので、無線LANの規格や伝送速度、特徴を押さえておいて欲しい。
無線LANは、物理的なケーブルを使わずに電波を使って、機器間を無線で接続する。ケーブルを使用しないため機器の配置や移動が自由に行える。無線LANは、機器間をケーブルで接続した場合に比べて、電磁ノイズに弱く伝送速度は遅い。
無線LANはIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers:米国電気電子技術者協会)で規格化されている。
IEEEによる無線LANの規格
規 格 | 最大伝送速度 | 周波数 | 特 長 |
---|---|---|---|
IEEE802.11a | 54Mbps | 5.2GHz帯 | 周波数が高いので高速通信が行いやすい。ほかの無線LANの規格に比べて周波数が高いため伝送距離は短い。また、障害物の影響を受けやすい。 |
IEEE802.11b | 11Mbps | 2.4GHz帯 | 周波数が低いのでIEEE802.11aに比べて伝送距離が長い。同じ周波数帯を使用している電子機器も多いので、混信やノイズの影響を受けやすい。 |
IEEE802.11g | 54Mbps | 2.4GHz帯 |
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