作業計画作成に関する次の記述を読んで,設問1〜4に答えよ。
ある工場では,幾つかの作業からなる一連の作業が発生すると,作業管理者が,各作業に要員を割り当てた作業計画を作成している。これまでは手作業で作成していたので手間がかかり,より短期間かつ低コストで作業を完了するための作業計画を作成する余裕がなかった。そこで,複数の作業計画案を比較検討できるように,表計算ソフトを利用した作業計画シミュレーション用ワークシートを作成することにした。
作業と要員の条件をワークシートに入力しておき,日程と割り当てる要員をいろいろ変えて,複数の作業計画案を作成する。そして,作業期間と要員コストについて比較し,一つの作業計画案を選択することにした。
ワークシートを作成するに当たり,作業計画作成の前提条件を次のように設定した。 |
(1) |
一連の作業を構成する作業数は五つ以下,割り当てる要員は5人以下とする。 |
(2) |
一つの作業は日単位で実施され,1日〜数日かかる。 |
(3) |
一つの作業は工場の稼働日に連続して実施する。 |
(4) |
一つの作業は1名の要員が担当し,途中で交代しない。 |
(5) |
作業には前後関係がある。先に実施すべき作業を先行作業という。 |
(6) |
一連の作業は10日以下で,できるだけ早く完了させる。 |
(7) |
要員の空き日程(作業割当可能な日)はあらかじめ決まっている。 |
(8) |
要員はどの作業でも担当できる。 |
(9) |
要員によってコストが異なる。 |
これらの前提条件を基に,図の割当検討シートを作成した。 |
なお,図は作業計画案作成途中の段階で,作業と要員の条件は入力済みであるが,すべての作業に要員を割り当てているわけではない。 |
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(1) |
作業一覧に,作業番号,先行作業,作業日数を入力しておく。 |
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(2) |
要員の空き日程の要員番号は要員1〜要員5とし,昇順に並べる。空き日程は,各要員が空いている日に
“○” を入力しておく。 |
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(3) |
セルE9〜N9, E16〜N16, E24〜N24は初日からの経過日である。 |
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(4) |
作業日程のセルD18〜D22に各作業の開始日を入力する(図中で網掛け表示)と,セルE18〜N22の作業実施日に
“○” を表示する。 |
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(5) |
要員選択のセルB25〜B29に要員番号を入力する(図中で網掛け表示)と,セルE25〜N29にその要員の割当可否を次のように判定して表示する。 |
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@ |
作業実施日で,当該行より上の行の作業に割当済みでなく,その要員が当日空いていれば,要員番号を表示する。 |
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A |
作業実施日で,その要員が当該行より上の行の作業に割当済みであれば,“済み”
を表示する。 |
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B |
作業実施日で,当該行より上の行の作業に割当済みでなく,その要員が当日空いていなければ,“不可”
を表示する。 |
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C |
作業実施日でない日は,何も表示しない。 |
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D |
ただし,25行目については,当該行より上の行に作業がないので,割当済みかどうかの判定は行わない。 |
なお,割当検討シートは,垂直照合関数を用いている。
垂直照合関数の書式は,“垂直照合(照合値,照合範囲,列位置)”
となっている。垂直照合は,“照合範囲”
の最左端列を上から下に走査し,“照合値” と等しい値を含むセルが初めて現れる行を探す。次に,その行に沿って
“照合範囲” の最左端列から数えて “列位置” を
1,2,3,… と付与し,該当する列位置のセル値を関数値として返す。“照合範囲”
はワークシート中の長方形領域とし,領域の左上と右下のセルを使って
“左上〜右下” の形で指定する。
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