海外出張の精算に関する次の記述を読んで,設問1〜3に答えよ。
ある出版社のL編集部では,IT関連の雑誌を編集・制作しており,最新ITや海外企業事例の調査を行うために,記者が海外に出張することが多い。海外出張をした社員(以下,出張者という)は,帰国すると海外出張計算書を作成する。
出張者は使用した経費を出張費,交通費,接待費,その他の経費に分けた上で,各経費を円に換算し,海外出張計算書を作成しなければならない。また,出張者は出張手当も計算しなければならないが,そのために必要な日当を覚えていないことも多い。こうした処理は,面倒で,ミスの原因ともなり,出張者は書直しなどで時間をとられている。
L編集部で庶務を担当しているNさんは,表計算ソフトを使って,海外出張計算書の作成業務を改善することにし,ルールや留意事項などを整理した。
(1) |
海外での使用経費は,各通貨ごとに合計を求め,帰国日の各通貨の換算レートを乗じて円に換算する(1円未満切捨て)。 |
(2) |
出張手当=日当×日数であり,日数には出発日と帰国日の両方を含める。
日当は,表1のように役職ごとに異なる。
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(3) |
使用経費は,その内容によって次の4種類に分けて集計する。
出張費 :
主要交通機関料金+出張手当+宿泊費 |
交通費 :
鉄道,タクシーなど,現地で移動したときの経費 |
(経費区分=T) |
接待費 :
訪問先を接待するために用いた経費 |
(経費区分=E) |
その他 :
現地で使用した交通費,接待費以外の経費 |
(経費区分=M) |
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〔業務改善に当たっての留意事項〕
現在の各帳票にあるすべての項目がそろっていれば,フォーマットは現行のものと異なっていてもよい。
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L編集部では,業務に使用するPC及びソフトウェアは統一されている。
当該PCで稼働する表計算ソフトでは,表示できる小数点位置をセルごとに指定でき,表示できるけたの一つ下のけたを四捨五入して表示する。 |
以上のルールなどを考慮して,Nさんは海外出張計算書のワークシート(図1)を作成し,各項目の入力方法などを解説したマニュアルも作成した。
海外出張計算書は,垂直照合関数,条件付合計関数を用いている。
垂直照合関数の書式は,“垂直照合(照合値,照合範囲,列位置)”
となっている。垂直照合関数は,“照合範囲” の最左端列を上から下に走査し,“照合値”
と等しい値を含むセルが初めて現れる行を探す。次に,その行に沿って
“照合範囲” の最左端列から数えて “列位置” を 1,2,3,…
と付与し,該当する “列位置” のセル値を関数値として返す。“照合範囲”
はワークシート中の長方形領域とし,領域の左上と右下のセルを使って
“左上〜右下” の形で指定する。
条件付合計関数の書式は,“条件付合計(範囲,検索条件,合計範囲)”
となっている。
“条件付合計(A1〜A10,C1,B1〜B10)” とした場合,セルA1〜A10のうち値がセルC1の値と同じセルを探し,セルB1〜B10のうちそれと対応するセルの合計値を関数値として返す。
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