初級シスアド 過去問題 平成13年度 秋期 午後(問7)

■問7■
 出張に伴う事務処理に関する次の記述を読んで,設問1〜5に答えよ。

 A社では,各部主導で身近な業務の改善を行うことになった。営業部では,国内遠隔地への出張が多いので,B君が中心になってその事務処理を見直すことになった。
 
〔出張に関する主な事務処理〕
A社の営業部では,遠隔地に出張するときに次の手続を行う。
(1)  部員(以下,申請者という)は,出張が決まると図1の出張申請書に所定の事項を記入して部長に申請し,検印を受ける。
(2)  申請者は,検印済みの出張申請書を総務担当者に渡す。
(3)  総務担当者は,申請者が出張中に使う概算出張費を仮払金として,経理部に申請する。
(4)  申請者は,切符を購入してもらうために,時刻表を調べて乗車予定の列車名などのメモを総務担当者に渡す。総務担当者は,旅行会社へ切符を注文し,納入されると申請者に渡す。
(5)  申請者は,出張から帰った後,図2の出張旅費精算書に所定の事項を記入して部長に申請し,検印を受ける。
(6)  総務担当者は,検印済みの出張旅費精算書を申請者から受け取ると,必要な経理処理を行い,経理部に送付する。
 
〔出張旅費精算書の記入ルール〕
(1)  出張費合計額は,主要交通機関の料金,近距離交通機関の料金,日当,宿消費の合計である。差引支給額は,出張費合計額から仮払金を差し引いた金額である。
(2)  日当と宿泊費は,出張を開始した日の役職によって決まり,出張した日数分(宿泊費は,宿泊数分)支給される。

 B君は,出張に伴う事務処理を改善するために,過去の出張申請書と出張旅費精算書を分析するとともに,改善に当たっての留意事項を本社の担当部署に問い合わせた。分析結果と留意事項をまとめると,次のとおりである。

      

〔過去の帳票の分析結果〕
(1)  出張中に,何らかの理由で期間や主要交通機関を変更しているケースがある。
(2)  1回の出張で使用する主要交通機関は,最多でも現在の記入欄の数で十分である。
(3)  1回の出張で使用する近距離交通機関は,数が多くて書ききれないことがある。
 
〔改善に当たっての留意事項〕
(1)  現在の帳票のすべての項目があれば,出張申請書と出張旅費精算書のフオーマットは,現行のものと異なってもよい。
(2)  各帳票を処理後,担当部署へ送付するときは,混乱を避けるために各帳票に不必要な情報を含めてはならない。部長の検印を受けるときも同様とする。
(3)  出張申請書は事前に,出張旅費精算書は事後に,検印を受けたものが正式書類となる。両帳票とも申請者の印が必要である。

 A社では,1年後に出張に関する事務処理を含んだトータルなシステムを構築する予定なので,今回は暫定的な方法で対処することにした。
 B君は,暫定策として表計算ソフトを使うことにし,1回の出張で使用する出張申請書と出張旅費精算書を一つのワークシート上に作成することにした。ただし,暫定策なので,ほかのシステムやデータベースとの連動や,ほかのソフトウェアパッケージの組込み,複雑な例外処理などは考慮しないことにした。
 このワークシートは,営業部のファイルサーバに格納し,各部員が利用できるようにする。また,各種分析や再利用ができるように,各部員が出張したときのワークシートも,同じサーバの別フォルダに保存する。
 

■設問1■
 B君の暫定策で改善できるものを,解答群の中から二つ選べ
 
解答群
 ア 同じ出張先などに出張する場合,前回使用した帳票の内容を再利用し,変更項目だけを書き換えることで帳票の作成作業を軽減する。
 イ 出張先の都市名を入力すると,最新の時刻表から主要交通機関(列車名と区間など)の候補を提示し,申請者がそれを選択すると料金を自動的に計算する。
 ウ 出張旅費精算書の項目には単純に計算できるものが多いので,必要最低限の入力だけを行うようにして,各種の計算を自動化する。
 エ 書類は一定のルールに従って,関係者間を何回か行き来している。書類の流れを電子化し,前工程の完了時に次工程の人に処理を促すことで,事務のスピードアップを図る。

 

■設問2■
 B君は,出張申請書と出張旅費精算書を一つのワークシート上に配置するときの方針を整理した。
 その方針に関する次の記述中の 【   】 に入れる適切な字句を,解答群の中から選べ。
 
(1)  入力内容などに誤りがあった場合に 【  a  】 を表示するためのセルや,処理を選択するためのセルなどは,申請者の注意を促すためにワークシートの先頭部分に配置する。
(2)  申請者が最初に作成するのは 【  b  】 なので,ワークシート上の(1)の内容の下に 【  b  】 を配置し,もう一方の帳票はその下に配置する。
(3)  日当や宿泊費などの単価を求めるための 【  c  】 用のセルや作業領域用の セルが必要な場合,申請者は見なくてもよいので,両方の帳票の下に配置する。
 
解答群
 ア エラーメッセージ イ 希望列車などのメモ ウ グラフ表示
 エ 出張申請書 オ 出張旅費精算書 力 テーブル

 

■設問3■
 B君は,二つの帳票を同一ワークシート上に配置したが,利用するタイミングが異なるので,申請者が印刷するために工夫が必要であると考えた。
 次の三つの印刷処理案に関する記述中の 【   】 に入れる適切な字句を,解答群の中から選べ。
 
(1)  二つの帳票を毎回1枚の用紙に印刷する単純な方法がある。この場合,部長へ申請するときには,【  d  】 必要がある。
(2)  各帳票を印刷する際に,印刷するセルの範囲を指定する方法がある。この場合,各帳票を印刷するたびに,申請者が正しく範囲を指定する必要がある。
(3)  マクロを使って各帳票を印刷する処理を選ぶ方法がある。この場合,【  e  】 必要がある。
  今回の暫定策では,申請者の作業回数が最も少なく,間違える可能性が最も少ない 【  f  】 案を採用することにする。
 
d,eに関する解答群
 ア 計算式も印刷する イ 事前に定義しておく
 ウ 縮小して印刷する エ 不要な部分を切り取る
 
f に関する解答群
 ア (1) イ (2) ウ (3)

■設問4■
 B君は,ワークシート上で各帳票のフォーマットを設計するために,各項目の配置を考えた。
 出張申請書の各項目の配置に関する次の記述中の 【   】 に入れる適切な字句を,解答群の中から選べ。
 
(1)  帳票名称や,共通部(検印,申請日,申請者の所属部課,役職,社員コード,氏名,出張先),目的は,帳票の上部にまとめて配置することにした。
(2)  出張申請書の主要交通機関の欄に列車名や区間などを指定すれば,部長の検印後すぐに 【  g  】 に切符を購入してもらえると考えた。そこで,出張旅費精算書の主要交通機関と同様に,列車名や区間などを同じ行に配置することにした。その結果,列車名や区間などの明細部分は 【  h  】 行あれば十分なので,この部分は共通部の下の左側に配置することにした。
(3)  期間は,開始日と終了日からなる。この部分は,主要交通機関の右側の上部に配置することにした。
(4)  残った 【  i  】 と備考は,主要交通機関の右側の余った部分に配置することにした。
 (1)〜(4)に基づいて,出張申請書の各項目の配置を図3のように整理した。

        

g に関する解答群
 ア 申請者 イ 総務担当者 ウ 部長 エ 旅行会社
 
h に関する解答群
 ア 2 イ 4 ウ 5 エ 6
 
i に関する解答群
 ア 概算出張費(仮払金) イ 近距離交通機関
 ウ 差引支給額 エ 日当と宿泊費

 

■設問5■
 申請日,申請者の所属部課,役職,社員コード,氏名,出張先,期間,主要交通機関の列車名と区間,仮払金は,双方の帳票に共通する項目である。入力項目数を減らし,誤入力を防ぐために,
  ・ 出張申請書と同じ内容の項目は,出張旅費精算書では値を参照する
  ・ 出張旅費精算書で書き換えてはならない項目は,セルを保護する
ことにして,表に整理した。ここで,表の項目はすべて記入済みであるが,網掛けの部分は表示していない。
 表中の 【   】 に入れる適切な字句の組合せを,解答群の中から選べ。

         

解答群
 
 
■答え■
設問1 : ア,ウ
設問2 : a−ア,b−エ,c−カ
設問3 : d−エ,e−イ,f−ウ
設問4 : g−イ,h−エ,i−ア
設問5 : j−ア,k−エ,ℓ−ウ

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