初級シスアド 過去問題 平成12年度 秋期 午後(問3)

■問3■
 販売計画策定方法の見直しに関する次の記述を読んで,設問1〜3に答えよ。

 K社は,L県内に本店を含め,5店舗を展開するブティックのチェーン店である。K社では,シーズン初めの仕入(初期仕入)は,本店で一括して行っており,仕入れた商品を各店舗に振り分け,販売を行っている。取扱商品の主流は,トレーナ,ポロシャツ,ブルゾンなどの軽衣料であり,同一商品をまとめて仕入れることによって,1着当たりの仕入価格を下げている。商品の販売期間は,シーズン(春夏秋冬)ごとに約4か月である。各シーズンは,ほかのシーズンと販売期間が一部重なる。シーズン終了後の在庫は,廃棄処分とする。
 K社も昨今の不況によって,売上不振による廃棄処分にする商品の増加と,割引販売が増えることによる利益率の低下が問題化している。そこで,販売計画の作成を担当しているJ君に,販売計画策定方法の見直しが指示された。まずJ君は,販売方法の分析に着手した。

〔K社の販売方法〕
 K社では,初期仕入後の特定の時期(1か月経過時,2か月経過時,3か月経過時)に,商品ごとの売行きを店舗ごとに判定して,次の図のように商品を区分する。ただし,いったん死筋と判定された商品は,再度の判定は行わず,死筋のままにする。

 

 販売価格は,本店で管理し,定価販売を基本とする。割引販売を行うときは,次のルールに従って全店同時に同じ割引価格とする。
(1)  初期仕入後1か月経過時の判定で,全店で死筋商品となった商品は,定価の20%引きで販売する。
(2)  初期仕入後2か月経過時の判定で,全店で普通商品又は死筋商品となった商品は,定価の20%引きで販売する。
(3)  初期仕人後3か月経過後は,全商品を定価の20%引きで販売する。
 初期仕入後1か月経過時の判定で売筋商品となった商品については,その店舗が仕入先から直接追加仕入を行う。追加仕入数量は,その店の最初に振り分けられた数量(初期数量)の50%を超えない範囲で各店舗が独自に決定する。
 J君は,この販売方法に問題がないかどうかを調査するため,あるシーズンの商品Pと商品Qの各店舗での在庫推移について,表1,2にまとめた。

     

 J君は,この二つの表を基に,販売方法に関する問題点を次のように整理した。
(1)  K社全体としてはシーズン終了時に,商品Qが仕入数量の約20%の60着も残っている。
(2)  商品Pは,シーズン終了時に追加仕入数量以上残った。
(3)  商品P,Qとも,全販売数量の約25%が割引価格で販売されている。
(4)  商品Pで,売上の機会損失が起きている可能性がある。
 J君は,これらの問題点を改善するため,従来の販売方法に加えて次の二つの改善策の導入を提案することにした。
 
〔改善策〕
  1.商品の在庫調整
 同じ商品でも,店舗によって売行きに差が出るので,各店舗による追加仕入を行わず,その商品が売行きの良い店舗へ集まるように商品を移動する。移動数量は,各店舗の在庫量などを基に本店が決定し,移動を指示する。
 商品の移動に関する条件は,次のとおりである。
(1)  死筋商品と判定された店舗から,同じ商品が売筋商品となっている店舗へ移動する。
(2)  初期仕入後2,3か月経過時の判定で,普通商品と判定された店舗から,同じ商品が売筋商品となっている店舗へ移動する。
(3)  判定に用いる累積仕入数量には,店間移動で,増減した数量を含める。
  2.商品の販売価格調整
 シーズン中に在庫を売り切ることを目標に,売れ残るおそれのある商品を見切り品として定価の40%引きで販売することにした。見切り品の条件は,次のとおりである。
(1)  2か月経過時の判定で,どの店舗でも死筋商品と判定されている。
(2)  3か月経過時の判定で,売筋商品と判定されている店舗がない。

 

■設問1■
 表1に関する次の記述中の 【   】 に入れる適切な字句を,解答群の中から選べ。

 商品PのK社全体の仕入数量は 【  a  】 着で,販売数量は 【  b  】 着,そのうち定価の20%引きで販売したものは 【  c  】 着である。売上の機会損失の可能性がある店舗は 【  d  】 で,シーズン終了時に残品率(仕入数量に対する残り数量の割合)が20%を超えた店舗は 【  e  】 と 【  f  】 である。

a〜cに関する解答群
 ア 20 イ 42 ウ 68 エ 164 オ 170 カ 190
 
d〜fに関する解答群
 ア 本店 イ 支店1 ウ 支店2 エ 支店3 オ 支店4

 

■設問2■
 J君は表1を基に,初期数量及び各店舗の販売数量をそのままとし,改善策1に沿ってシミュレーションを行った。結果は,表3に示すとおりである。
 表3中の 【   】 に入れる適切な字句を,解答群の中から選べ。解答は重複して選んでもよい。

   

解答群
 ア -10 イ -5 ウ 0 エ 5 オ 10 カ 15

 

■設問3■
 J君は,作成した改善策 1,2 を整理するため,初期仕入後 1 か月経過時,2 か月経過時,3 か月経過時の判定結果に基づいて,販売価格と商品移動の決定表を作成した。次の 2 か月経過時の決定表中の 【   】 に入れる適切な字句を,解答群の中から選べ。

           

解答群

 

■答え■
設問1 : a−カ,b−エ,c−イ,d−ウ,e−エ,f−オ (e,f は順不同
設問2 : g−オ,h−ア,i−ア,j−ウ,k−ア
設問3 : ℓ−イ,m−ケ,n−コ,o−オ,p−エ
 

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