初級シスアド講座

初級シスアド アローダイヤグラム

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アローダイアグラムとは

初級シスアドでは、アローダイアグラムに関する問題がよく出題される。その問題のほとんどがクリティカルパスからプロジェクトなどの所要日数を求める問題である。クリティカルパスを求められるようになることがアローダイアグラムのポイントである。

アローダイヤグラムは、はPERT(Program Evaluation and Review Technique)ともいう。アメリカ海軍がミサイルの開発計画を実施するために日程計画の手法として開発したものである。プロジェクトの作業日程や作業時間を以下のような図で表わしたものである。プロジェクトなどの日程管理で使用される。

アローダイヤグラム

アローダイヤグラム

丸印どうしを矢線で結んで記述する。矢線を作業やアクティビティと呼ぶ。丸印を結合点、ノードまたはイベントと呼ぶ。作業にはその矢線の近くに所要時間所要日数を書く。結合点は順番に番号をつけると管理しやすい。

アローダイアグラムの名称

アローダイアグラムを記述するうえでのルール

アローダイアグラムを記述するうえでは、6つのルールがある。

  1. それぞれの作業は、必ず前後に結合点を持っていること
  2. 結合点は、スタートとゴールの結合点を除いて、必ず前後に作業をを持っていること
  3. どの作業もその前の結合点に入る作業がすべて終っていないと、その作業にとりかかれない
  4. 結合点は、そこから出て再びその結合点に戻る作業経路を持ってはならない
初級シスアドアローダイヤグラム記述の注意点
  1. 結合点の番号は、作業の方向に大きくなるようにつける
  2. 並行作業がある場合は、ダミー作業を用いて表現する
並行作業の書き方

ダミー作業は実体を持たない作業である。したがって、所要時間は0である。点矢線で表示する。

アローダイアグラムの読み方

アローダイアグラムを正確に理解するためには、以下の数値を求めなければならない。

以下のアローダイアグラムの最早結合点時刻、最遅結合点時刻、余裕日数およびクリティカルパスを求める。

アローダイヤグラム

最早結合点時刻

まず最初に最早結合点時刻を求める。最早結合点時刻とは、その作業において最も早く作業が開始できる日のことである。最早結合点時刻は、前の最早結合点時刻+作業時間で求める。

Point 最早結合点時刻

スタートである結合点@の最早結合点時刻は0日である。次に結合点Aの最早結合点時刻は、結合点@の最早結合点時刻である0日と、結合点Aに入ってくる作業日数の5日を加えた5日である。

結合点Aの最早結合点時刻
@の最早結合点時刻+Aに入ってくる作業日数
0日+5日=5日

同じ考え方で、結合点Bの最早結合点時刻を求める。結合点Aの最早結合点時刻が5日、結合点Bに入ってくる作業日数の5日を加えた10日である。

Bの最早結合点時刻
Aの最早結合点時刻+Bに入ってくる作業日数
5日+5日=10日

同様にしてほかの結合点の最早結合点時刻も求める。結合点Fのように複数の作業が入ってきて、複数の最早結合点時刻が考えられる場合は、その中で最も日数の大きいものを最早結合点時刻にする。

Point 複数の最早結合点時刻が考えられる場合

最も日数の大きいものを最早結合点時刻にする

初級シスアド最早結合点時刻を求めた図

最遅結合点時刻

最早結合点時刻が求まったので次は最遅結合点時刻を求る。最遅結合点時刻とは、そのプロジェクトにおいて終了時刻を遅れることなく開始できる最も遅い日数(時間)のことだ。つまり、この時間を過ぎて作業を開始すると、目標の日にプロジェクトは終らないという作業開始のタイムリミットだ。

最遅結合点時刻は、前の最遅結合点時刻−作業時間で求める。

最早結合点時刻はスタートの結合点(左端)から求める。逆に最遅結合点時刻はゴール(右端)の結合点から順に求めていく。

Point 最遅結合点時刻

結合点F最早結合点時刻が最遅結合点時刻時刻である。次に結合点Dの最遅結合点時刻は、結合点Fの最遅結合点時刻である24日から、結合点Dの前の作業日数の3日を引いた21日である。

Dの最遅結合点時刻
Fの最遅結合点時刻−Dから出て行く作業日数
24日−3日=21日

同じ考え方で、結合点Cの最遅結合点時刻を求める。結合点Dの最遅結合点時刻21日から、結合点Cの前の作業日数の3日を引いた18日である。

Cの最遅結合点時刻
Dの最遅結合点時刻−Cから出て行く作業日数
21日−3日=18日

同様にしてほかの結合点の最早結合点時刻も求める。結合点Aのように複数の最遅結合点時刻が考えられる場合は、その中で最も日数の小さいものを最遅結合点時刻にする。

Point 複数の最遅結合点時刻が考えられる場合

最も日数の小さいものを最遅い結合点時刻にする

初級シスアド最遅結合点時刻のイメージ

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余裕日数

最早結合点時刻と最遅結合点時刻が求まったので、余裕日数を求める。余裕日数は、その作業開始における余裕がある日数のことである。例えば最早結合点時刻が10日、最遅結合点時刻が15日なら、作業開始に5日の余裕がある。逆の考え方をすれば、5日までの作業の遅れが許容されるということだ。

余裕日数は、最遅結合点時刻−最早結合点時刻で求める。

余裕日数を求める順番は特にない。それぞれの結合点において、最遅結合点時刻−最早結合点時刻を求めればよい。

Point 余裕日数

余裕日数=最遅結合点時刻−最早結合点時刻

初級シスアド余裕日数のイメージ

クリティカルパス

クリティカルパスとは、作業に余裕がない経路のことである。クリティカルパス上の作業が遅れると、プロジェクトが予定どおり終らなくなる。したがって、プロジェクトに大きな影響を与える経路である。クリティカルパスは、余裕日数が0の結合点を結んだ経路である。したがって、クリティカルパスは次のようになる。

Point クリティカルパス

余裕日数が0の結合点を結んだ経路

初級シスアドクリティカルパス

クリティカルパスを別の表現をすると、作業日数の一番長い経路である。

作業日数が変更されることでクリティカルパスが変わる可能性もある。作業日数が変わったときは、最早結合点時刻、最遅結合点時刻と余裕日数からクリティカルパスを再度確認する必要がある。