フロッピーディスクは下図のような考え方ができる。
図を見れば分かるとおり、ディスクはトラックが集まったものである。また、トラックはセクタが集まったものである。フロッピーディスクの容量計算をおこなううえで、まず、この関係をしっかり理解することが大切である。具体的には上図が書けるようになって欲しい。
このフロッピーディスクの概念を理解するために次の例題を考えてみよう。
<例題>
両面倍密度のフロッピーディスクの仕様が表のとおりであるとき、このフロッピーディスク
1枚のデータ記憶容量は何kバイトか。ここで、1kバイトは1,024バイトとする。
(平成12年 第2種情報処理技術者試験
午前 問22)
ア 520 イ 1,040
ウ 1,064 エ 1,080
まず、表から図示してみよう。
ここで注意しなくてはいけないのは、セクタ長が「セクタ長」と表記されていないことだ。「データ長」と表記されている。このようなときは、単位に注目するとよい。データ長の単位は「バイト/セクタ」である。つまり、1セクタあたりのバイト数=セクタ長である。
これで計算に必要な数値が整理できた。順を追って計算していこう。まず、1トラックのバイト数が何バイトか計算する。トラックは、セクタが集まったものだから、1トラックのバイト数は、次の式から求めることができる。
したがって、この問題の1トラックのバイト数は、
256 × 26 = 6,656 バイト
次にディスク1面のバイト数を考えてみよう。ディスクはトラックが集まったものだから、ディスク1面のバイト数は、次の式から求めることができる。
したがって、この問題のディスク1面のバイト数は、
6,656 バイト × 80トラック = 532,480バイト
ディスクは、両面だから
532,480バイト × 2面 = 1,064,960バイト
となる。また、kバイトで答えるのだから、上記のバイト数を1kバイトのバイト数1,024バイトで割ってやりkバイトに変換する。
532,480バイト ÷ 1024 =1,040kバイト
になる。
以上をまとめると、次の式でフロッピーディスクの容量計算は計算できる。
必要に応じて、kバイトやMバイトに変換することを忘れないで欲しい。
私が今まで、基本情報処理や初級システムアドミニストレータ受験者に指導をおこなった経験から出た意見だが、公式を丸暗記するよりもしっかりフロッピーディスクの概念を理解して、公式を覚えなくてもフロッピーディスクの容量計算がおこなえるようになったほうがいいと思う。なぜなら、公式を丸暗記してしまうと確かに容量計算は問題なく解答できるだろう。しかし、応用問題に対応できない受験者が多かったからだ。
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